屈折補正の基本

2.レンズの焦点距離と屈折力

 レンズは大きく分けると、平行光線がレンズで屈折後に一点に収束するプラスレンズと、レンズ屈折後に発散するマイナスレンズがあります。

2-1.プラスレンズの焦点と焦点距離

fig03
図3

プラスレンズの像側焦点と像側焦点距離
 レンズ光軸に平行に入射した光線が、レンズで屈折後、光軸上の一点に集光する点を像側焦点(f ′)といいます。また、レンズから F′までの距離を像側焦点距離(f ′)といい正の値となります。

プラスレンズの物側焦点と物側焦点距離
 レンズ光軸上のある一点(レンズ前方の点)から発散した光線が、レンズで屈折後、光軸に平行に出ていくような性質をもつ点を物側焦点(F)といいます。この物側焦点はプラスレンズの左側に存在します。また、レンズから F までの距離を物側焦点距離(f)といい負の値となります。


2-2.マイナスレンズの焦点と焦点距離

fig04
図4

マイナスレンズの像側焦点と像側焦点距離
 レンズ光軸に平行に入射した光線が、レンズで屈折後、光軸上の一点から発散する点を像側焦点(F′)といいます。また、レンズから F′までの距離を像側焦点距離(f ′)といいは負の値となります。

マイナスレンズの物側焦点と物側焦点距離
 レンズ光軸上のある一点(レンズ後方の点)に収束する光線が、レンズで屈折後、光軸に平行に出ていくような性質をもつ点を物側焦点(F)といいます。この物側焦点はマイナスレンズの右側に存在します。また、レンズから F までの距離を物側焦点距離(f)といい正の値となります。


2-3.レンズの屈折力の表し方

屈折力の定義
 レンズが光を曲げる強さを屈折力といい、屈折力が強くなるほど焦点距離が短くなります。屈折力の大きさと焦点距離は反比例するので、焦点距離 f ′(m)の逆数をレンズの屈折力とします。

 凸レンズ → f ′>0 なので D>0 → 正の屈折力をもつ。
 凹レンズ → f ′<0 なので D<0 → 負の屈折力をもつ。

屈折力の単位
 屈折力の単位は、ディオプトリー(Dioptory)またはディオプター(Diopter)を用いて、通常は D で表します(SC式等で表す場合は D を省略します)。

 〈例1〉f ′=+50(cm)のとき → f ′=+0.5(cm)→ 屈折力=+2.00 D
 〈例2〉f ′=−40(cm)のとき → f ′=−0.4(cm)→ 屈折力=−2.50 D

 必ず数字の前に符号を付けて、小数点以下第2位まで表します。




back next